調教師




子供が玩具に飽きるように、きっとあの人も私に飽きたのでしょう。
約二年続いた軟禁生活も、ある日プツリと途絶えました。
帰らない主を待ち続ける私はどれほど愚かにみえたかしれません。

私は捨てられたのです。



一人で過ごす三度目の春、ようやくその事実を受け入れることが出来ました。















「あ・・んっ・・・・んぁ・・」

まだ宵の口だというのにカーテンがきっちり閉められているその部屋から女の甲高い嬌声が漏れている。
つられて男の身体を打ち付ける音が次第に早くなった。

「あっ・・あ、ぁんッッ!」

女が一際大きく喘ぐのと同時に男が深く突き刺した。
ドクドクと注ぎ込む間中、女の腰を離すことなくしっかりと抱えたまま・・・余韻を楽しむ。
男が用の終えたソレを引き抜いた時、女は男を軽く睨みつけて諭した。

「ナルト・・・言ったでしょう?中に出しちゃ駄目だって。」
「ゴメン。でもスゲー気持ちイイんだってば!」
「駄目なモノは駄目なの。中に出すんだったらちゃんと付けてよ。」
「うーん・・アレ、好きじゃないしなー・・・。」
「我侭言わない!別れる?」
「げ!そんなこと言わないでよ、サクラちゃん!」

神様に拝むように両手を合わせてこちらを見るナルトにサクラがくすくすと笑った。

「それにしても今日のサクラちゃんはスゴかったね♪」

   久しぶりだったし。
   ナルト、頑張ってたし。
   応えてあげなきゃって思って、いつもの三割増しの演技をしちゃったモン。

「そう?ナルトだって・・・」

とぼけたフリして切り返す。
サクラの言葉にナルトは照れた笑いを浮かべた。

「もう帰らないといけない時間じゃない?明日の任務、集合時間早かったわよね?」
「・・・泊まりたいってばよぅ。」
「ナルトが任務に遅刻したら綱手様に叱られるのは私なの!」

薄いキャミを羽織ったサクラがナルトの腕を引き、上体を起こさせた。

「ほら、シャワーを浴びてきて。何か飲むものを用意しておくから。」

しぶるナルトをベッドから追い出してその背が完全に消えるのを確認し、サクラは再びベッドへ転がる。
ほうっと溜息を漏らすと部屋の明かりから身を隠すように布団を顔まで引き上げた。
自然と下半身へと手が伸びる。
ナルトと身体を重ねた後はいつもこう。
ナルトだけじゃない。
試しに何人かの男と寝てみたが、サクラが満足することは一度も無かった。
一度も、だ。

   アノ人とはいつだてイケたのに。
   他の人では駄目なのはどうして?

多分、私の身体はアノ人に馴らされてしまったに違いない。
・・・アノ人でないと、感じないように。

「んぅ・・・あっ・・ぁ・・」

自分の指では物足りないけれど、他の男とスルよりは全然気持ちイイ。
サクラはアノ人が・・・カカシ先生がそうしていたように指を這わせた。



「つまらないセックスをするようになったね、サクラ。」



クリーム色のカーテンの陰から突如現れたのは背の高い男だった。

「イケなくて自慰ってどうよ?」

あまりの出来事に動けずにいるサクラの側に立ち、カカシは布団の中からサクラの手を引きずり出した。
たっぷりと蜜を含み、艶やかに光る二本の指。
カカシはいつの間にか面布を下ろしたその口元にサクラの指を運び・・・ゆっくりと口に含んだ。

「あっ・・・駄目!」

か細い声が発せられたが、何の役にも立たなかった。
カカシの舌が生き物のように動き指の股まで舐め上げるのを、目の前で見せ付けられる。
サクラの身体が小刻みに震えた。

「駄目、ねぇ。自分が今どんな顔をしてるか教えてあげようか?」

慌てて首を横に振るサクラの顎を掴み、強引に口付ける。
閉じられていた歯列は下唇を軽く咬むことによって難なく開いた。
すかさず割って入るカカシの舌を、サクラが拒めるはずもない。
昔のように絡み合い、お互いを確かめ合ってからゆっくりと離れていく。
口の端についたどちらのものとも区別がつかない唾液を手の甲で拭いながら、カカシは薄く笑みを滲ませた。

「ご主人様のお帰りだよ、サクラ。ガキとの遊びも終わりにしてくれないかな。」

カカシは片手で布団を剥ぎ取ると、戸惑うサクラの上に覆い被さった。
両手首を頭の上でねじり上げ、その細い首に食いつく。

「ヤダ・・・やめてよ!」

その行為はナルトの残した痕の上から更に濃い鬱血を残した。
カカシはサクラの懇願など聞こえないようで、白い身体を這うように下へと進み・・・突き上げる胸の突起をキャミの上から口に含む。
ただそれだけの行為に、サクラは全身の力が抜けていくのを感じた。

「はぁ・・・んっん・・ぁ・・・」

鼻に掛かった甘い吐息にカカシが満足げに笑う。
もう拘束は必要ないとばかりにサクラの両手を自由にし、手際よくキャミと下着を剥ぎ取りはじめた。
その僅かな時間に耳に届いた水音がサクラを現実へと引き戻す。

   ナルト・・・

気まぐれで横暴な先生。
自分は捨てられたはずだ。
どうして今更此処へ現れたのか全く理解出来ない。
しかし、この状況で彼が引くわけ無いことだけは十分に承知していた。
彼をこの部屋から早急に追い出す方法はただひとつ。
彼を・・・満足させることだけだ。
サクラはそっとカカシの下半身へと手を伸ばした。
ズボンの上から硬くなったソレを撫で上げる。

   勝手に居なくなったくせに。
   あんな思いをして先生を待つのはもう嫌なの。
   ナルトは・・・優しいわ。
   将来も有望だし。
   きっと私を幸せにしてくれる。
   ・・・先生はもういらない。

急に積極的になったサクラをカカシは目を細めて見下ろした。

「ふぅん。早くイカせて帰らせたい?」
「・・・・。」

応えないサクラの首に手を回す。
力を入れようものならすぐ折れてしまうであろう、細い首。
カカシは片手でやんわりと締めながら諭すように囁きかけた。

「オレよりナルトを取るの?甘いよ、サクラ。そんなことオレが許すはずないデショ。」

カカシが空いた手で額宛を取る。
数年ぶりに見る色違いの瞳は昔と変わらずサクラを威圧した。

「お前はオレのものだ。」

そう言い切られれば納得してしまいそうになる。

「演技なんてしなくていいんだよ。そんなこと、オレとのセックスで必要なことがあった?」



サクラは・・・一切の抵抗をやめた。










「何・・してんだよッッ!!」

サクラがカカシの大きくなったものを口に含み、根元から舐め上げている時・・・彼は戻ってきた。
少し伸びかけた黄色い髪の先から雫を滴らせている。
手にしていたタオルがはらりと床に落ちた。

「ただいま、ナルト。」
「・・・カ、カシ・・先生・・・」
「確かにお前にサクラを頼むって言ったケド、ねぇ?こんなことまで頼んだ覚えは無いよ。」

サクラが熱心に奉公している男がカカシだとわかり、ナルトは呆然と立ち尽くした。
目の前の二人の姿を通り越して三年前の夜の出来事が鮮明に思い出される。
『サクラを頼む』
そう自分に言い残し、急遽暗部に召集されたカカシ。
間の悪いことに当時サクラは任務のため里を離れていたため二人が別れの挨拶を交わすことが出来なかった。
そのことこそがサクラが捨てられたと思い込むそもそもの原因だったのだ。
サクラがいくらカカシを探そうとも、暗部の・・・しかも特別任務のため誰も口を割る者は無く、もちろん自分も明かさなかった。
泣き続けるサクラを慰めること二年。
任務期間をとうに過ぎても帰らない三年目、ようやく手に入れた大切な・・・

「サクラはオレが仕込んだオレの可愛い犬なんだから・・・返してもらうよ。」

低い声にナルトの思考が中断された。
相変わらずナルトのことなど既に眼中にないサクラはカカシの前に膝まづき、何度も角度を変えてはしゃぶり続けている。
顔を背けることも出来ずにいるナルトの目の前でカカシは大きな手をサクラの後頭部に回し、薄紅の髪を鷲掴みにしてその顔を上げさせた。
銀色の糸を引く唇に顔を寄せる。
しかし触れる寸前でぴたりと止め、代わりに舌を差し出した。

「んっくぅ・・」

躊躇うことなく吸い付くサクラの背を優しく撫でてから、カカシはその手を尻伝いに秘所へと這わす。
既に溢れている蜜を絡め、敏感な所を指の腹で押すように撫でた。

「あぁッ・・あんっ・・・」

喘ぐサクラに無理強いをされている様子は全く無い。
与えられる刺激に耐え切れなくなったサクラは進んでよつん這いになりカカシを強請った。

「・・もう・・・だめぇ・・」
「サクラ、欲しいなら言う言葉があるデショ。覚えてる?」
「お願・・い・・せんせぇ・・・いれて、くだ・・さい・・・」
「ごーかっく!良く出来ました。」

腰を両手でがっちり支えられ、サクラはその体勢のままカカシを受け入れた。
尚且つもっと置くまで誘いこもうと腰を突き上げている。
その恍惚とした瞳と上気した頬は自分には見せたことの無いモノだ。
噛み締める唇から、鉄の味がした。

   もう大丈夫だと思ってたんだ。
   もし先生が帰ってきても、サクラちゃんは絶対先生になびいたりしないって。
   オレ達は愛し合ってるって・・・

ナルトの表情から言いたいことを読み取ったのか、カカシはあざ笑うように声を紡ぐ。   

「演技してるサクラが忍びなくてね。」

返す言葉が見つからない。
動きの止まったカカシを懇願するようにサクラが振り返った。

「そんな顔をしなくてもちゃんとイカしてあげるよ。」

カカシの言葉に、飴を貰った子供のように悦ぶサクラを正視出来ない。
身体を打ちつける音が俯いたナルトを追い立てる。

「帰らないの?それとも最後まで見てく?」

カカシの、くっくっと喉の奥で笑う声を背に受けながらナルトは無言で走り出した。

   たかが三年でサクラがオレを忘れられるとでも?
   犬は三日仕込めば一生忘れことは無い。
   ・・・サクラは。
   サクラは二年もの間、オレの嗜好を毎夜みっちり仕込んだ特別な犬。
   他のヤツに扱えるはず無いデショ。

辛うじて残る意識の中、サクラは玄関の扉が大きな音を立てて閉まるのを聞いた。
ナルトとはもう二度と普通に話すことは出来ないだろう。
唯一自分に差し伸べられていた手を自ら振りほどいた結果だ。

   ごめんね、ナルト。
   あんなに恨んでいたというのに身体は求めてやまないの。
   やっぱり先生じゃなきゃ、駄目・・・

閉鎖された空間の中でサクラは再びカカシに囚われた事を知った。

「オレがいなかった時間の分、じっくり取り戻そう。もちろん新しいことも教えてあげるよ・・・。」

カカシの囁きは鎖となってサクラに絡みつく。
サクラは歓喜の声でそれに応えた。









あけましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いしますデス。
年末忙しさのあまり更新も滞っていましたが、その間になんと10万打&サイト三周年を迎えておりましたのよ。フフフ。
年も明けてめでたいことだし、ココは一発エロで!!と思いまして頑張らせていただきました。
通常では裏にUPするトコなんですが、お年玉です。正月の三日間のみ表に置きます。
四日にはアドレスを変えて裏へ移しますので。
三日間のみDLフリーとします。
お持ち帰りの際は注意事項を良くお読みの上、お願いします。
1 BBSに名乗りを上げること。サイトアドも明記。・・・だってエロだから。
2 サイトUPも可ですが、警告を促すこと。・・・だってエロだから。
3 UPの際は作者明記をお願いします。・・・以上。

2005.01.01
まゆ