悪戯な指




木の葉の住宅地には公園が二つあった。
一つは遊具が沢山あり、幼い子供とその手を引く母親達で賑わっている。
もう一方は。
何も無いだだっ広いグランドと鬱そうとした林があるだけのものだ。
此方は少年達の野球やサッカー、その他モロモロの球技スペースとなっていた。
しかし、林が隣接するためか・・・やや暗い印象を与えるこの公園に来る者は少ない。
そんな閑散とした静けさと少し湿った空気はカカシにとって居心地が良かった。
両手に血を染み込ませ、陰の空気を纏う自分には。





「痛い!」

幼く、鋭い声にカカシは目を覚ました。
日々絶えることの無い暗殺の任務に疲れていたのか、随分と眠りこけていたようだ。
木々の隙間から僅かに見える空は夕刻を示す茜色だった。
立ち上がり、尻に付いた土を軽く払う。
ズボンのポケットに放り込まれていたチェーン付きの小さな懐中時計でちらりと時間だけ確認し、カカシは大きく伸びをした。
次の任務まであと二時間。
中途半端な時間をどうするか思案し始めたカカシに、再び甲高い声が聞こえた。

「嫌!」

カカシが声のした方に目を向けると、そこには三人の少年が居た。
・・・訂正。
三人の少年と、幼い少女だ。
少女はまだとても就学する年齢には見えない。
よくやるよねぇ・・と他人事のような(事実、他人事だ)感想をぽろりと口にして肩を竦める。
彼らの放つ空気をカカシはよく知っていた。
女の捕虜を得た、興奮したどこかの馬鹿忍びと同じだ。
煩くなる前に立ち去ろうとしたカカシの足元に、少女ものと思われる赤い手毬が転がってきた。

『はるのサクラ』

自分で書いたのだろう不揃いの文字が責める様に進路を塞ぐ。
カカシが暫くそれと対峙しているうちに、状況は刻々と変化していた。






「お前、向こうの公園では遊ぶなっつただろ?」
「探すのに手間取ったじゃねーか!」

少年の荒い声が上がるたび、幼い少女は・・・サクラはビクつく。
持っていた手毬が既に手に無いことなど気付いている余裕は無い。
またあの『苦しいこと』をさせられるのかと思うと涙が零れてきた。

「手を離してよぅ・・・」

自分の手首は少年に捻り上げられたままだった。
思い切り引いてみても外れないそれに、サクラは嗚咽を漏らす。

「玩具がしゃべんな。」

きりりと余計な力が込められて・・・更に身動きが取れなくなった。
サクラの顔に諦めの色が浮かぶ。
ほんの少し。
ほんの少しの間我慢さえすればいつものように家へ帰れるはずだ。
その時間がなるべく短いようにと祈るサクラの前で、少年達はジャンケンを始めた。

「じゃ、オレが一番な!」
「ずりーよ・・お前一昨日も一番だったじゃんか。」
「ばーか。ジャンケンだぞ?知るかよ。」

どうやら順番が決まったようだ。
サクラは逃げられないように大木を背に膝を折って座らさせると、両肩と腕をそれぞれ少年に固定された。
正面に立つのはジャンケンに勝った少年。
一番の、人。
俯いたままのサクラの顔は、その少年によって強引に上に向かされた。

「さっさとしろ、な?」

反り立つ自分自身のモノに手を添えて、無理やり少女の口に捩じ込む。
サクラは嗚咽でたどたどしかった呼吸が一瞬止まったかのような錯覚を覚えた。

「ん・・ぐッ!」
「歯ぁ、立てたら殴るぞ?舌動かせって。」

そんな余裕の無いサクラは口いっぱいの異物を吐き出そうと無意識に首を横に振る。
少年の、舌打ちが聞こえた。

「いい加減おぼえろよ・・・頭悪ぃな!」

頭を掴まれて前後に揺さぶられる。
少年はその快感に満足したのか、急速に上り詰めていった。

「うッ・・ぁ」

吐き出されたソレはサクラの顔へと注がれた。
ふっくらとした頬をすべり、顎の先から滴り落ちる。
口の中から不意に消えた異物を瞳に映しつつ、サクラは深く息を吸い込んだ。

「次はオレだ。」

場所を移動しようとした少年と、相反する位置でサクラを押さえ込んでいた少年。
その二人が一瞬にして地面に身を落とした。
不意に解かれた両腕の呪縛にサクラがぺたりと尻を付く。
最初に映ったのは黒い影。
どうやらそれが自分にとって救い主であることを、目の前の少年が突き飛ばされたことによってサクラは理解した。

「ガキがいい加減にしろ。」

感情を感じさせない単調な声が場の空気を凍りつかせる。
白銀の髪の男は数メートル先に飛ばされた少年の胸倉を掴み、持ち上げた。
意識を失っていないものの、窮地に追い込まれた少年はパクパクと口を開けるが・・・声なんて出ない。
まだ出しっぱなしのソレは見事なまでに縮み上がっていて、カカシは失笑した。

「二度とサクラに手を出すな。・・・お前らもだ。」

サクラの側で後ずさりを始めていた少年二人に向き直り、ゆっくりと距離を詰める。
その右手には宙吊りのままの少年が揺れていた。
腰には風変わりな面が括りつけられており、それを見た一人の少年が掠れた声で囁く。

「・・・暗部?」

カカシの眉が僅かに上がった。
オモシロイ、とでも言うようににやりと笑う。

「へぇ?・・お前らアカデミーの生徒か。じゃ、殺してもいいかな?」

思案するように呟くカカシに二人は顔面蒼白で首を横に振った。

「も、もうしないから!」
「二度とソイツには近づかないッッ!」
「・・・行けよ。あ、そうそう。コイツも持ってって。」

邪魔だからさ、と目の前に投げて寄越された友の両脇を抱え、三人の少年達はあっという間に木々の中へと姿を消した。





「おにいちゃん・・・」

戻った静寂の中、不似合いの声が自分を呼んだ。

「ありがとぅ。」
「どーいたしまして。」

適当に返事を返しながらカカシはサクラの前に屈みこんだ。
初めてまともに見た少女の顔に、一瞬息を呑む。
まだ上気したままの頬と陵辱の痕。
澄んだ硝子玉のようなエメラルドの瞳。

   これは、なかなか・・・

ついっと顔を寄せたカカシに、サクラはびくりと身体を振るわせた。

「・・・おにいちゃん?」
「ん・・・?あぁ・・」

何でもないよと微笑んで、カカシはサクラの頬に手を伸ばした。
乾ききっていない体液をそっと拭う。
そして、さっきまでアレを咥え込んでいた、髪と同じ薄紅の唇を指でなぞった。

   どんな顔をしてたの?
   オレも見たいなぁ・・・・

「・・・お礼。」
「え?」
「お礼、欲しい。」

そんなことを言われても、自分は何も持っていない。
子供ながら役に立てないことを心苦しく思っているのか・・・サクラは俯いてしまった。

「ごめんなさい。サクラ、何もあげれないの。」
「いいよ。代わりに少しだけ・・・」

言葉が終わらないうちにカカシはサクラの小さな膝小僧に手を伸ばす。
あまりにも優しく触れられたので、サクラは抵抗することすら忘れているようだった。
ゆっくりと膝が割られていく。
カカシは短いスカートの裾をまくって、手を、差し込んだ。

「んッッ!」
「じっとしてて。」

さすがに抵抗を始めようとしたサクラの耳元に顔を寄せ、カカシが囁きかける。
少し掠れような、低い声。
大抵の女はこれで落ちた。

動きを止め、潤んだ瞳で見上げてくるサクラに満足したのか・・・カカシはやや広いサクラの額にそっと口付ける。
それと同時に、サクラの中心部へ指を添えた。
ぴくんと跳ねた小さな身体を逃げられないように左腕で包み込み、抱きしめる。

「気持ちよくしてあげるから。」
「・・ぅンッ・・あッ・・・」

カカシの声がサクラに届いたかどうかわからない。
既に下着の上を往復している二本の指がサクラの意識を朦朧とさせていた。

   よかったよ、相手があんなガキ共で。

サクラの反応を見る限り、コチラを触れられるのは初めてのようだ。
カカシの嬉しそうな笑みに、サクラも笑った。ように見えた。
もっと強い刺激を求めて、サクラが無意識のうちに腰を浮かす。

   ホント、可愛い。

ゆらゆらと揺らめき始める細い腰に合わせてカカシの指の動きも増した。
急かされる様な律動。

「おに・・・ちゃ、んッ・・あぁッッ!」

上り詰め、力の抜けた身体を受け止めながら、カカシは喉の奥で笑う。

   気まぐれも起こしてみるもんだねぇ・・・
   こんなイイものを見つけられるなんて!

「・・・サクラちゃん、大丈夫?」

カカシの問いかけに荒い息を吐きながら、こくんとサクラが頷いた。

「そっか。・・・気持ち、良かった?」

この問いにはカカシの胸に顔を伏せて二度、頷く。

「またオレと逢ってくれる?」
「・・・うん。」

微かに聞こえたサクラの声。
カカシはポケットを探ると小さな懐中時計を取り出した。
長すぎる鎖を短くしてサクラの首に付ける。
それはまるで何か・・・束縛めいたものを感じさせて、カカシはにやりと笑った。

「約束のシルシ。」

首にぶら下がった懐中時計が気に入ったのか、サクラは蓋を開けて文字盤を覗き込んでいる。

「サクラちゃんは時間読める?」

時計を見て時間が理解できるかと問うカカシに、サクラはにっこり肯定の笑みを見せた。

「じゃ・・・明日の3時に此処でまたお兄ちゃんと遊ぼう。おやつも持ってきてあげるよ。」
「うん!」
「じゃ、今日はもうお帰り。お母さんが心配するから。」

そう言って差し出された赤い手毬を受け取って、サクラはすくっと立ち上がった。
べったりと張り付く下着に少し顔を顰めたものの、カカシの言うとおりすぐに公園の出口へ向かって走り出す。
途中、何度も振り返りながら。





サクラの背中がカカシの視界から消える。

カカシはまだ硬いままの自分自身を手早く扱きはじめた。
上の口でも下の口でもいい・・・サクラの中に入れてしまいたかったが、それは我慢した。
嫌われたくは無かったし、それに。
そう遠くないうちにサクラの方から強請ってくれそうだったから。

吐き出された体液が木の幹に掛かる。
カカシは自分自身をしまいこんで声無く笑った。
そろそろ集合時間だ。
さくさく任務を終わらそう。

・・・明日のために。











ただ自分を支配していた主が変わっただけだという現実に、サクラは全く気付いていない。

木の葉の暗部。
写輪眼のカカシ。

この人物から逃げだすことは、絶対不可能。
























エロリ友の会提出作品。暗部幼女デス。
コゴメ様のみお持ち帰り可。
2005.03.21
まゆ