私は今の自分の気持ちに名前を付けられずにいた。
捨てられない。
ましてやなかったことにできるはずもないこの感情に…サクラは苦笑を滲ませる。
「…強がっているつもりはないんだけどなぁ」
久々の女子会の帰り道、ついてくるのは大きな丸い満月だけ。
サクラは淡い光を放つ夜空を見上げた。
月はいつも彼を連想させる。
はたして今、彼は何処で何をしているのか？
置いて行かれた身では知るすべはない。
サスケくんに相手にされず、ナルトに逃げられ、親友にサイを奪われた私は『かわいそうな子』なのだそうだ。
つくづく噂って怖いと思う。
サスケくんに相手にされなかったことは認めるが、ナルトとサイに関しては寝耳に水だった。
後輩たちの慰めの言葉を思い出してため息がもれる。
泣いて、泣いて。
悲しいだとか切ないだとか、そんなものはもうとっくの昔に感じなくなった。
最後に残った凝ったモノ。
それが何なのかわからないけれど…死ぬまで私の中に居座り続けばいい。
どうせ私はサスケくん以外の誰にも、こんな気持ちを持つことはないのだから。
私が死ぬまで…。
私の真ん中で、ひっそりと居座り続ければいい。
ほぅっと息を吐き出してサクラは視線を月から外した。
これも私の在り方だと思えるようになって久しい。
今日も明日も明後日も…こんな風に過ぎていくのだ。
何も変わらない。
サクラは明日の予定を思い出しながら再び家路を歩き始めた。
変わらないことは良いことなのか、それとも…?
サクラの止まっていた時が動き出したのはそれから間もなくのことだった。
とりまコピーして貼り付けてみたが…カカサクのネットに上げてない長編もある笑
ちなみに上のヤツはサラダが生まれる前ちょっと二人で旅してたところを書きたかったらしい。
…自分、笑う…
